N1 シリーズをこれから使い始められる方向けの基本的な情報をまとめました。
最新版の Ver.3.50 前提の内容になっています。
◆接続と設置
設置について
バックアップなどに使用しますので、背面端子類にアクセスできる状態で設置されることをおすすめします。
アースを使用される場合は所定の接続端子(N1Aシリーズにもあります)をご使用ください。なお使用の「効果」については環境に依りますのでご判断の上ご使用ください。
電源投入の順番
N1 の電源を先に入れ、N1 のホーム画面が表示されてから、ネットワークプレーヤーや USB-DAC の電源を入れてください。
※ネットワークプレーヤーの電源が先に入ってしまうと、プレーヤーの起動がうまくいかず、アプリ等から見えなくなる場合がございます。USB-DAC の場合はこのようなケースはありません。
バージョンの確認
流通している機器のソフトウェアは最新バージョンでない可能性があります。
下記の操作を行い最新版にアップデートされることをおすすめします。
- 「L」ボタンで前面のメニューを表示し「v」を押下して「[5]システムソフトウェア」の右にある数字(バージョン番号)を確認します。
- 「L」ボタン(決定)を押すと、ネットワークもしくはUSBからバージョンアップするメニューが表示されます。
インターネット回線に接続されている場合は「[1]ネットワークからアップデート」で決定します。
インターネット回線が接続されていない場合は、別途PCやMacでアップデータをダウンロードした後、USBメモリに「audionas_ha_n1_updater.bin」というファイルをコピーし、前面もしくは背面の「USB3.0」ポートにメモリをセットして「[2]USBからアップデート」で決定します。
接続と接続の確認
N1のホーム画面で接続の確認ができます。
- インターネット回線側にルーターやハブをご使用になる場合は、それらからのLANケーブルをN1の「LAN」ケーブルにつなぐと、「L」が左上に点灯します。
- ネットワークプレーヤーを「PLAYER」ポートにつなぐと「P」が左上に点灯します。
- USB-DAC は、前面を含めどの USB ポートにつないでも認識します。
N1/2 シリーズの場合は、専用ポートのご使用をおすすめします。
接続し、USB-DAC の電源を入れると「□」というUSBのアイコンが左上に点灯します。 - CD/DVD/BD ドライブは、USB 3.0 ポートもしくは前面ポートに接続します。
接続すると、「◎」というCDのアイコンが右上に点灯します。 - 増設用ディスクドライブは、EXPANSION ポートもしくは前面ポートに接続します。「E」というディスクのアイコンが右上に点灯します。
なお、アイコンが点滅している間は使用できません。
また、増設ドライブが接続されると、メディアサーバーが一度停止してから、増設ドライブ内の楽曲をデータベースに追加していきます。
その間は情報メニューの表示が「スキャン中」になります。増設ドライブの中の楽曲が完全に選曲可能になると「スキャン完了」になります。 - バックアップ用ディスクドライブは、BACKUP ポートに接続します。「B」というディスクのアイコンが右上に点灯します。
ホーム画面では、視覚的に接続の成否や状況が確認できます。
これを実現するため、それぞれの接続を監視しています。ディスプレイを消灯すると、監視しなくなります。ホーム画面で戻る「⊃」を長押しすることで消灯することができます。
USB-DACとの互換性
基本的に、USB Audioclass 2.0 との互換性がある USB-DAC (Macでドライバ不要のもの)に対応しており※ドライバ前提の USB-DAC は使用できない場合があります。
※一部規格外でも使用できる機器があります。
- 接続時「□」USB接続アイコンが表示されない場合は、認識されていません。
- SACDプレーヤー等、機材によっては、入力切替を「USB」にしないと認識されない場合があります。
- 機材によっては、入力切替を「USB」にしないと認識されても音が出ない場合があります。
- 冒頭の音が切れる(頭切れ)場合は「PrecisionStart」を設定します。
互換性がないDACの場合も互換性のある USB-DDC(またはデジタル出力できるUSB-DAC)を介することでご使用いただくことができます。
ルーターなしでの使用
音源が格納されていれば、アプリでの操作をしない場合、本体とネットワークプレーヤーやUSB-DACを直結するだけの、ルーターなし状態でも再生することができます。
- ネットワークプレーヤーとN1を直結して、ルーターなしで使用する場合
N1は「[4]設定>[12]ネットワーク>[1]PLAYERポート設定>[2]ダイレクト接続モード」に設定し、N1、ネットワークプレーヤーの順で電源を入れます。
選曲はネットワークプレーヤの画面や赤外線リモコンで行います。 - USB-DACとN1を直結して、ルーターなしで使用する場合
N1のメニュー[2]楽曲情報の表示 から選曲して再生します。
◆音出し
USBメモリを使った音出し
本体に音源が一切なくても、USBメモリに音源ファイルを入れておけば、まず音出しを確認することができます。
- 背面のEXPANSIONポートに音源の入ったUSBメモリをセットします。
N1Aの場合は前面のポートにセットし「そのまま使用」を選択します。
(これだけで、内蔵したのと同じ状態になります。) - ネットワークプレーヤーの場合は、プレーヤー純正アプリ、プレーヤーの前面パネルなどで「N1-XXXX」を選択し、音源を選択して、再生します。
- USB-DAC の場合は、N1のメニューの「 [2]楽曲情報の表示」から音源を選択して、再生します。
CDトランスポート(USB-DAC、CDドライブ)
本体に音源が一切なくても、USB-DAC、USB-CDドライブがあれば、まずは CD の音を USB-DAC から再生して音出し確認することができます。
双方を上記の手順で接続してから、下記のように操作します。
- CDドライブにCDをセットします。
- 「v」ボタンを押して「再生」を選び「L」ボタンを押して決定します。
再生中は下記の操作ができます。
- 「L」ボタンで一時停止と再開
- 「v」ボタンで前の曲へ、「^」ボタンで次の曲へ
- 一時停止中に「v」ボタンで表示切替、「^」ボタンで再生モード切替
- CDのトレイオープン・トレイクローズで次のCDを再生
- 「⊃」ボタンで再生を終了してリッピングへ進む
◆選曲アプリの使用(USB-DAC)
仕組みについて
選曲アプリには「ライブラリから曲を選ぶ」「再生や停止をする」という2つの機能があります。これらを実現するために、「ライブラリ」「プレーヤー」の双方と通信します。逆に通信できないと「ライブラリが見えない」「プレーヤーが見えない」という状態になります。選曲アプリを使用するには、通信させる必要があります。
このため、特に無線LANしか使えないスマートフォンやタブレットと「ライブラリ」「プレーヤー」を通信させるためには「WMR-RM433W/A」のようなリモコン用ルーターや、一般的な無線アクセスポイントなどが必要になります。
プレーヤーだけがアプリから見えない場合
ライブラリは見えるのにプレーヤーは見えない、という場合は、プレーヤーが起動していない可能性があります。
※ライブラリもプレーヤーも両方見えない場合は、無線LANの問題です。
- CDトランスポートを使用している場合
CDトランスポートを終了し、ホーム画面を表示してください。 - メルコ・ローカルプレイ(メニュー[2]からの再生)を使用している場合
ローカルプレイを終了し、ホーム画面を表示してください。 - その他の場合
USB-DACが接続されていない場合は、接続することで起動します。
既に接続されている場合は
[4]設定>[9]USB-DAC接続機能>[2]ファイル再生モード>[1]標準
と選択・決定していくことでプレーヤーが再起動します。
ハイブリッドモード、モード0、モード1
アプリとプレーヤーとのオープンな通信方式には、アプリがプレイリストを管理する「DLNA/UPnP AV方式」と、プレーヤー自身がプレイリストを保持して連続再生する「OpenHome方式」があります。
N1では、前者に対応する設定を「モード0」、後者に対応する設定を「モード1」と呼んでいます。両方のアプリから発見される初期設定を「ハイブリッドモード」としていますが、基本的にはアプリを決めて「モード0専用」または「モード1専用」に設定いただくことをおすすめしています。
- モード0 対応アプリ
Twonky Beam、mConnect Player、8player、Creation5
foobar2000+upnpプラグイン、MediaMonkey など
※ギャップレス再生は対応していない場合が大半です。 - モード1 対応アプリ
Kinsky、Kazoo、Lumin、BubbleUPnP、PlugPlayer など
※プレーヤーがプレイリストを保持するためギャップレス再生します。
※モード1対応アプリはモード0でも通信できてしまう場合がありますので
「モード1専用」としたほうが確実です。
◆インターネット回線の接続
通常、N1の使用に必ずしもインターネット回線は必要ありません。
N1本体のバージョンアップ時、CDリッピング時のみ、インターネット回線を使用します。
インターネット接続する場合、既設のLAN回線に有線LANで接続するのが最も一般的ですが、ほかには下記のような方法があります。
- 無線LANはあるが、有線LANはない場合
N1に無線子機(WLI-UTX-AG300/C)を接続して、無線接続する
N1にリモコン用無線ルーターセット(WMR-RM433W/A)を接続して、ルーターのワイヤレスワンモードで無線接続する - LAN環境は一切ないが、スマートフォンはある場合(アップデート時やリッピング時のみインターネットを使用する場合など)
スマートフォンのテザリング機能をONにして
N1にリモコン用無線無線ルーターセット(WMR-RM433W/A)を接続して、ルーターのワイヤレスワンモードでスマートフォンに接続する
(テザリング中はスマートフォンを選曲用としては使用できません)
◆ファイルの取り込み
PCや既存のNASからのコピー
N1本体のファイル共有の機能で、PCやMacに共有フォルダを表示し、ファイルをコピーします。共有フォルダを表示するには、下記のようにします。
- PCの場合
エクスプローラーのアドレスバーに「\\(N1のIPアドレス)\share」と入力してEnterキーを押します。
※バージョン3.50の場合、Windows10の場合も事前設定は不要です。 - Macの場合
Finderの「サーバへ接続」で「smb://(N1のIPアドレス)/share」と入力してEnterキーを押します
※USB-DACを接続される場合、DACの電源を切っておいたほうがコピーの速度は上がります(DACが接続されているとDAC動作を最優先するためです)。
※CDリッピングをPC/Macで行い、リッピング先をN1の共有フォルダにすることで、リッピング結果を直接N1に格納することができます。
※(N1のIPアドレス)はN1のホーム画面に表示されている、ピリオド3つで区切られた数字です。
USBメモリ・USBハードディスクからのコピー
N1本体の取り込み機能で取り込みます。
この機能は、ファイル共有機能がオフの状態でも使用できます。
- USB3.0ポートにドライブを接続すると、画面が表示されますので「L」ボタンを押下するとドライブ内のすべてのファイルが import/all フォルダにコピーされます。
音源ファイルだけでなく、カバーアートなどの「画像」やPDFファイルなども含めてすべてコピーされます。 - 前面のUSBポートにドライブを接続した場合も、「L」ボタンを押下するとドライブ内のすべてのファイルが import/all フォルダにコピーされます。
- 同じドライブを再度接続した場合
import/all フォルダにコピー済のファイルはコピーされません。前回から増えたファイルだけがコピーされます。
CDリッピング
N1とUSB CDドライブを接続することで、CD内のPCM音源をファイルとして取り込むことができます(CDリッピング機能)。
※CDプレーヤーのデジタル出力から取り込むことはできません。
CDには音源以外格納されていませんので、単に取り込むだけではタイトルやカバーの絵は付きません。このため、Gracenoteサービスからタイトルやカバーの絵を取り込む機能を搭載しています。
- CDをセットします。
問い合わせデータベースを作成し、自動的にGracenoteサービスに問い合わせを行います。 - タイトルを確認します。
N1の画面にタイトルが表示されますので、確認します。
複数のタイトルが表示される場合は、確認して選択し直すこともできます。
なお、Gracenoteサービスで最も可能性が高いと判断している順で表示されますので、基本的には最上位のタイトルをおすすめします。
複数のタイトルが表示される場合は、*印のあるエントリーにカバー画像が登録されています。 - 取り込みを待ちます。
1曲ずつ、取り込み・タイトル付与が行われます(無圧縮FLAC形式)。
取り込み・タイトル付与の過程はN1の本体画面に表示されます。
取り込まれたファイルは import_CD フォルダ内に保存されます。
なお、CD全体の取り込みが完了していなくても、取り込み完了したトラックの再生は可能です。
※設定変更により、WAV形式や圧縮FLAC形式での取り込みも可能です。
※あくまでもサービスに登録されている情報が付与されますので、カバーなどがお手元のCDと同じとならない場合があります。
※お客様のCDから取り込まれた音源ファイルは自由にコピーできますが、サービスからダウンロードされるカバー画像(folder.jpg)はPCやMacへのコピーはできません。PCやMacでご使用の場合はご自分で作成されたカバー画像への置き換えをおすすめします。
※自主制作など、サービスに登録されていないアルバムの場合は、日付とトラック番号のみで取り込むことができます。
◆バックアップ
定期的なバックアップのおすすめ
ミュージック・ライブラリにとって最も重要な機能の一つがバックアップです。ミラーリングもバックアップするためにある機能です。
N1のバックアップはシンプルで知識不要。どなたにでもできるデザインになっています。
本体でのバックアップ
USB接続ハードディスクで行うのが一般的です(NTFS形式を推奨)。
なお、バックアップは「内蔵ディスクにすでに存在するファイル」のコピーですので、たとえば100MBしか存在していなければ、100MBしか消費しません。USBメモリにバックアップすることもできます。
- BACKUPポートにドライブを接続すると、「B」アイコンが表示されます。
- 本体メニューの[3]バックアップ>[1]実行 を選択すると、バックアップが開始されます。
- 「設定」「データ」双方がバックアップされます。
- NTFS形式の場合は、既存のバックアップデータを再利用するため、差分バックアップとなります。
- 復元する場合は[3]バックアップ>[2]復元 を実行します。
バックアップした機器とは異なる個体、異なる容量への復元も可能です。
ミラーリングでバックアップして、ストライピングにして復元するような事もできます。
※バックアップされたファイルは .Anas.bak という名前の隠しフォルダーに保存されます。PCやMacでも隠しフォルダを表示すれば、参照することができます。
バックアップHDDの要件
HDD自体は大容量品も使えますが、USB接続の互換性によって4TBを超える大容量品は認識しない場合があります。
PCやほかのNASへのバックアップ
N1本体のファイル共有の機能で、PCやMacに共有フォルダを表示し、ファイルをコピーします。共有フォルダを表示するには、下記のようにします。
- PCの場合
エクスプローラーのアドレスバーに「\\(N1のIPアドレス)\share」と入力してEnterキーを押します。
※バージョン3.50の場合、Windows10の場合も事前設定は不要です。 - Macの場合
Finderの「サーバへ接続」で「smb://(N1のIPアドレス/share)」と入力してEnterキーを押します
※USB-DACを接続される場合、DACの電源を切っておいたほうがコピーの速度は上がります(DACが接続されているとDAC動作を最優先するためです)。
※N1のCDリッピング機能をご使用の場合、リッピング結果(import_CDフォルダ内)にダウンロードしたカバーアート(folder.jpg)が含まれていると、PC/Macにフォルダコピーすることができません。カバーアートを削除するか置き換えることでコピーすることができるようになります。
内蔵HDDが故障した場合
弊社修理センターまでお送りいただき、ディスク交換後、返送させていただく形になります。到着後、お手元のバックアップから復元してご使用ください。
ミラーリング設定されている場合は、片方のディスクが故障してもバックアップできますので、バックアップを実行後、本体を弊社修理センターまでお送り下さい。