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LS421D 発表6周年

現在の DELA プロジェクトが、初の「ネットワークオーディオ向けNAS」として『LS421D』を発表し、ドイツの世界的展示会 HIGH END での展示を行ってから6年が経過しました。

 

今回は LS421D での挑戦を振り返りつつ、機器のメンテナンスについても改めてご案内します。

LS421D は 2013 年 5 月に発表した、オーディオ向け NAS ※1 です。 

40年前、メルコ時代にもオーディオ店の方々から様々なご意見をいただいて『3533』シリーズを製品化したという歴史がありますが、『LS421D』開発中も、同様にオーディオ店の皆様より、「バッファローの NAS」「PC オーディオ」についての様々なご不満・ご要望を伺いました。この製品は、当時のハイエンドモデル『LS420D』をベースにした少数生産のスペシャルモデルとして、これらに可能な限り応えられるよう製品化したモデルです。

 

  • 『オーディオ向けとして設定レス』
  • 『専用箱・専用マニュアル』
  • 『DSD配信対応』※2
  • 『TwonkyServer 搭載を明示』
  • 『出荷時からミラーリング設定済』
  • 『PCレスでドライブ初期化可能』
  • 『USB-DACを接続してDSD再生(デバイスサーバ機能)』
  • 『オーディオ店/オーディオ売場専売』

 

といった、バッファロー品としては画期的な特徴を持っていました。もちろんこれらそれぞれの背景として、オーディオ店の皆様だけでなく、オーディオブランドの皆様、オーディオ誌の編集に関わる皆様、オーディオ評論家の先生方など沢山の方々のアドバイスがございました。社内的には難しい部分もありましたが、なんとか形にすることができました。 そして、このモデルではどうしても出来ない事を『N1』 で実現していくことになりました。PC オーディオやネットワークオーディオを「詳しい人にしか買えない・使えないようなものにはしたくない」という思いはこの LS421D の時点から変わりません。

 

※1:ちなみにこの時点で「オーディオ《向け》NAS」としていた理由は、N1 の企画開発が進行していたためです。

※2:『DSD配信対応』については、発表時にもご協力いただいたパイオニア、スフォルツァート、パケットビデオ(現・リンクステクノロジーズ)各社様なしには実現しませんでした。この機能については LS400 シリーズ海外モデルには標準搭載とし、HIGH END でも発表したことから、国内だけでなく CH Precision や Le Son、darTZeel などスイスのブランドに早い時期から対応していただくことができました。 その後 Twonky 自体にも標準機能にしてもらいましたので、どの Twonky 搭載 NAS でもこの機能が使えるようになりました。

なお、現在当社も協力しているオーディオ専用メディアサーバー『MinimServer』 もこの 2013 年時点で DSD の配信が設定によりできるようになっていました。ただし現在も変わりませんが MinimServer にはプリインストール品はなく、インストールや管理が難しいという課題がありました。ここは今年の当社 HIGH END 出展でのテーマのひとつになっています。

N1 へとつながる LS421D

DELA ブランドのティーザーサイトに登場させましたが LS421D の時点で筐体補強などの手を加えた特殊バージョンも制作しました。後に N1A に入る電源ユニットを用いた外部電源ユニットも開発し2013年の「音展」で展示しています。
2012年の「音展」でも LS-WSXS 用の 5V 電源ユニットを展示しています。

 

2016年にはサポート外のベータ扱いではありますが、アルバムアーティストタグ対応、AIFF タグ対応、インデックスなど N1 に近いナビゲーションツリーを使用できるアップデータも公開しました。

 

 

LS421D のメンテナンスについて(保証期間は終了しております)

  • ドキュメント類は「こちら」からダウンロード・参照することができます。
    現在は「SP Navigator」というアプリでも管理できるようになっています。
  • フロントパネルを開けると左右に空気の通り道があり、ホコリが溜まると排熱を妨げますのでお手入れをおすすめします。未使用端子には安価なものも出ていますのでカバーを装着すると安心です。
  • 前面LEDが点滅しているからといって「故障」とは限りませんのでご注意ください。「新しいファームウェアがある場合にLEDを点滅させてお知らせする」という機能である場合があります。「オレンジ」で点滅している場合は単なる通知です。
  • ミラーリングしている結果、片方のドライブが故障していても普通に使えてしまいます。「赤」で点滅している場合はドライブ故障している場合があります。
    片方のドライブが故障している場合は、速やかにバックアップを取り、「両方のドライブを交換する」ことをおすすめします。
    片方だけ交換して再同期する機能もありますが、同時期に同時間動作している以上、まだ動作している片方のドライブもすぐに壊れる可能性があります。
  • 両方のドライブが故障して、バックアップも無いという場合には『データ復旧サービス』もご検討ください。
  • N1/N10/N100 のような簡単便利なバックアップ機能はございません。 オーディオのお客様向けとしては、PC や Mac でバックアップするのが簡単確実でありおすすめします。
  • LS421D のドライブ・トレイには 3.5 インチHDDだけでなく 2.5 インチドライブも固定できるようになっています。
  • 設定はドライブに保存されますので「設定ズミで出荷」のメリットはドライブ交換時点で無くなります。他の NAS 同様、初期設定が必要になります。
  • LS421D はドライブを装着し RAID1=ミラーリング で出荷していましたが、これは工場で一台一台設定していました。ドライブを外してしまった場合、機器自体のドライブの初期設定は「RAID0=ストライピング」になります。再度ミラーリングに設定する場合は取扱説明書の「RAIDモードを設定する」をご参照ください。
  • 当時の初期設定ではID、パスワードなしで接続するようになっていましたが、 Windows10 でお使いの場合は、ユーザアカウントを設定し、詳細設定・ファイル共有・SMBの設定で「SMB2プロトコル」を有効にすることをおすすめします。