N1A に代わる DELA ミュージックライブラリのスタンダードモデルとして DELA N50 を出荷開始しました。
フルサイズデザイン、操作性は継承しながら、電源、基板、マウンターを一新し、SSD2TBを標準装備した主力モデルです。
今回は動画も作成していますが、製品化に至る経緯についてご紹介します。
初代N1Z(2014)
DELA としては、当時やれることをすべてやったという事で、初代 N1Z (2014)のクオリティは一つの基準になっています。
初代 N1Z は、電源を2個使用して基板系とドライブ系の2系統にする(アイソレーテッドパワーサプライ)、高額で、調達するだけでも難しく、選べない状態だった SSD を内製し(オーディオグレードSSD)、かつ2ドライブ使ってなんとか 1TB を確保する、といった無謀に近い取り組みをした結果、なんとか商品化できたものの、当時としてはかなり高額なモデルとなってしまいました。
現実的な価格を追求した初代 N1A (2014) にも適用できた技術も相当ありますが、やはり 「A と Z の差は歴然」という形になりました。
N1A の進化
その後、標準モデルとしての N1A にも、少しずつでも N1Z の要素を持ち込みたいという事で、N1A/2 (2016)では、電源部分に N1Z で採用していたコンデンサバンクを採用し(クリアダイナミックパワーサプライ)、N1A/3 (2018) では初めて SSD 搭載モデルをラインナップしたりしています。
N50 について
今回の N50 はDELA8年の技術の集大成として、価格を抑えながらも再度「理想的な構成」を目指して製品化しています。
電源はN1Z(2014)の2ユニットの合計以上の出力品を採用することで、1系統ではありますが、2系統と同等の余力を確保しました。
内蔵ドライブについても、筐体コストに制約がある標準モデルでは HDD 搭載には工夫が必要になります。HDD 1TB ×2ドライブの初代N1Aは、振動面でも電源面でも厳しい要件でした。
これに対し N50には SSD を標準装備。必要十分な 2TB 品を1ドライブ搭載とし、低振動・低負荷を実現しています。
SSD のマウンターについても、N1Z/2(2016) 以降で採用しているリジッドマウンターを初めて採用しました。N1Z/2 では真鍮板を複数使っているのですが、N50 では、底板からの影響を排すよう鋼板を浮かせて設置するレイヤードリジッドマウンターを新規開発しました。
加えてメインボードの方も、2014 年当初から採用している NDK(日本電波工業)社製のクロックを上位品に変更し、システム全体の動作モードも変えています。このあたりは N10 45周年モデル(2021)の開発からのフィードバックです。
8年を経て、もちろん N1Z の方も当初から更に相当な進化を遂げて、現在では N1Z/3 や N10 に到達していますが
N50もまた、筐体・質感は N1Z とは歴然と違うものの、内容的には当初考えていた理想的な形に近くなり、一つの完成形、到達点となっています。
外観はこれまでと大きく変わりませんが、店頭試聴会や自宅試聴受付など、品質と機能をご体験いただける機会を継続的に準備していきますので、ぜひ N50 をご体験ください。